粉骨サービスを利用する際に便利なのが「送骨キット」です。自宅にいながら遺骨を当社(朔月 さくげつ)へ送り、粉骨〜滅菌〜真空パックまでを代行いいたします。初めての方でも安心して利用できます。
しかし、「宅配便では遅れない(取り扱いがない)」など、意外と知られていない法令上の注意点もあります。は
本記事では、実際の送骨キットの中身から手順、郵便局での発送の仕方、粉骨処理の流れ、そして返送後の活用方法まで、図解付きで詳しく解説します。
送骨キットとは?
送骨キットとは、粉骨・散骨・納骨サービスを行う事業者が提供する、遺骨を安全に発送するための専用梱包セットです。自宅で骨壺を詰めるだけで発送できるため、出張や持ち込みが難しい方に選ばれています。

▲送骨キットの一例。骨壺を安全に固定できる専用パーツ付き
- 骨壺を安全に固定できる専用の緩衝材・固定材
- 封緘用テープ・ゆうパック専用伝票
- 申込書・説明書
- 発送・返送に必要な資材一式
料金は骨壺サイズによって異なりますが、一般的に12,000円〜25,000円前後が相場です(3〜8寸、乾燥・滅菌・真空パック込み)。
送骨キットを使った粉骨の流れ
① 申込・キットの受け取り
まず、当社のWebサイトや電話から申込をお願いします。
骨壺のサイズ(寸法)、希望するオプション(立会い・桐箱・小分けパックなど)を選び、送付先住所をお伺いします。
申込から1〜3日程度で、自宅に送骨キットが届きます。

▲ステップ1:Webまたは電話で申込 → 専用キットが自宅に届く
② 遺骨の梱包と発送準備
同梱の説明書に従って、骨壺をしっかり固定・梱包します。緩衝材で上下左右を保護し、揺れないようにセットします。封緘テープで段ボールを厳重に封じ、申込書を同梱して返送伝票を貼ります。
⚠️ 郵便局でしか送れない注意点
ここが非常に重要です。遺骨は宅配便では送れません。
ヤマト運輸・佐川急便・Amazonなど一般的な民間宅配事業者は、社内規定により遺骨の取扱いを禁止しています。これは、遺骨が「信書」「貴重品」などの扱いに準じ、破損・紛失時のリスクが高いためです。
そのため、唯一正式に遺骨を送ることができるのは「日本郵便(ゆうパック)」のみです。ゆうパックは遺骨の取扱いを公式に認めており、多くの粉骨業者も返送伝票はゆうパック専用で同梱しています。

▲ゆうパックで郵便局窓口から発送するのが唯一の正しい方法
発送時は、以下の点に注意しましょう:
- 郵便局窓口で「ゆうパックでお願いします」と伝える
- 中身を「遺骨です」と伝えると、丁寧に取り扱ってくれる
- 集荷ではなく、窓口持ち込みが基本(地域により集荷可の場合も)
③ 粉骨処理(専門設備)
郵便局から発送された遺骨は、粉骨業者の施設に到着後、以下の工程を経て処理されます。
- 乾燥:低温で数時間〜1日かけて含水率を調整
- 粉砕:専用粉骨機で平均粒径0.5〜2mmに均一化
- 滅菌・異物除去:UV照射やアルコール処理、金属検知器
- 真空パック:多層フィルムで湿気・酸化・虫害を防止
- 封入:桐箱や納骨袋、小分け袋などオプションに応じてパッケージ

▲標準的な粉骨工程。衛生・安全を担保するため、設備と工程が重要
これらの工程を専門施設で行うことで、DIYでは難しい粒度の均一化・滅菌・異物除去が可能になり、安全かつ美しく仕上がります。
④ 仕上がり品の返送
粉骨処理が完了すると、当社からゆうパックで返送いたします。通常、遺骨が当社に到着してから10〜14営業日で仕上がります。
※お急ぎも可能です。ご相談ください。
返送内容の一例:
- 粉末状になった遺骨(真空パック)
- 工程報告書(乾燥時間・粒度・滅菌内容など)
- 粉骨証明書
- 桐箱・納骨袋(オプション)

▲返送内容の一例。しっかりと真空パックされ、安心して保管・供養が可能
⑤ その後の活用方法
粉骨した遺骨は、以下のような用途で活用できます:
- 海洋散骨・樹木葬など自然葬
- 自宅での手元供養(小分け袋やアクセサリーへの封入)
- 分骨して親族に分ける
- 墓じまい・改葬時の再納骨
- 海外持ち出し(航空会社・渡航先の規定要確認)
送骨キットを使えば、自宅で複雑な作業をする必要がなく、法令遵守+衛生的な粉骨が短期間で完了します。
まとめ|送骨キット利用のメリット
- 法令に適合した発送方法(ゆうパック)で安心
- 自宅で梱包 → 郵便局に持ち込み → あとは当社に任せるだけ
- 粉骨・滅菌・真空パックを専門設備で実施、安全性が高い
- 費用は12,000〜25,000円程度、DIYよりも総合的にコスパが良い
粉骨を検討している方にとって、「送骨キット」はもっとも手軽かつ失敗が少ない選択肢です。
特に郵便局での発送義務は知らないとトラブルになりやすいため、この記事を参考に正しい手順で進めてください。

